けんくり

セイント・モード/狂信のけんくりのレビュー・感想・評価

セイント・モード/狂信(2019年製作の映画)
4.0
信念と理性の危ういラインをわかりやすく描いた映画だと思う。ホラー的描写が多いし、事実かなり怖いけど、痛々しいヒューマンドラマのようにも思える。

「聖人モード」のように信念を持って、それに基づいて行動することは本来美しいこと。ただ信じる気持ちが強ければ強いほど、視野狭窄になってしまうのは誰にでもあること。

自分の身に起こる全ての出来事が、その信念を補強し、試すようなものだと解釈してしまうと、理性的な判断ができず、独善的になってしまうリスクがある。その極端な例が、終盤のモードの暴走。

宗教が題材なので遠い世界の出来事かと思いきや、本来"良い"こととされる「信念を持つこと」が悲劇を招くこともある観点から見ると、めちゃくちゃ恐ろしい映画。