れこーど

ゴスフォード・パークのれこーどのレビュー・感想・評価

ゴスフォード・パーク(2001年製作の映画)
4.5
これ、頭使うわー。『裏切りのサーカス』より難しい。登場人物多すぎな上に複雑過ぎる。
観る人を選びます。これはもう、アルトマンらしく「分からんなら観るな」映画ですね。←冗談、ドライな語り口です。

昔『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』という本を読んだが、それと全く似た気分になった。始めは取っ付きにくいが、読み込むほどに面白くなるのだ。だから、これは研究、勉強するつもりで観るといいと思う。映像、セリフの情報量はハンパない。

舞台は1932年、今では失われてしまった戦前のイギリスの貴族階級の生活を、ゴスフォード パークと云う屋敷で起きた事件を軸に描いている。

一回観ただけでは、犯人が分かるだけで面白くはない。その内幕(ここのルールとそれぞれの思惑)を理解しないといけない。だから、2度目はオーディオ コメンタリー(音声解説)で観るといいです。
監督と脚本家の2つがあり、監督の方は映画のテクニックや解説、この映画に対する思い、裏話、苦労話を聴ける。脚本家の方はこの上流階級のルールや世界観を話してくれる。
この脚本家の方をみるといいです。これで分かるようになる。とてつもなく情報が叩き込まれる。(笑)
そして、この貴族社会の話を少しでも楽しめたなら、"アルトマン最高"ってなる。このドライさ加減が癖になる。
、、、結局、殺人事件なんてどこ吹く風だし、役者は勝手に思い思いに動いて良くて、大事なセリフが抜けても監督が気付かなかったなんてのは、、、彼くらいだろ?(笑)

これで私はアルトマンが好きなった。イニャリトゥもそうだが、一旦分かるとハマる。キューブリックより好きだわ。これは知的な遊戯が好きな方(知的好奇心の強い方)にオススメします。良かったらどうぞ。今の評価は4.3だが、老後の楽しみに取って置こうと思う。何度も観て5にしようと思う。

新米メアリーにミセス ウィルソンが話す使用人の心得はアドバイスというより皮肉、あるいは覚悟を促しているよう。オタクの皆さん、これが本当のメイドってもんですぞ。

ちなみにこれ、フィクションだが、ほとんどが実際にあった話でそれを元に脚色され、繋いで描いているそう。冗談のような、ほぼ本当の話。
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