パーティーで出会った売れない画家と女優がドラマティックな一夜を共にする様子を、接写を多用したドキュメンタリー風な演出を用いてリアルに描いた、ジュスティーヌ・トリエ監督の短編ドラマ映画。俳優たちの名前がそのまま登場人物の名前として用いられている。

精神疾病を抱える弟（この演技がインパクト大だが、どうも俳優ではなくミュージシャンらしい）を持つレティシアとヒッピー風の暮らしをする父や祖父を持つトマが、お互いに相手のことをちょっと変な奴だと思いつつも、孤独を癒やすためにつかの間の親密な関係を結ぶという刹那的な生き方が印象的に表現されている。夜が明けたあとに再び襲ってくる「負け犬感」と言ってもいいかもしれない孤独感の表現も秀逸。

なぜか本作のレティシア・ドッシュが綺麗だと思ってしまった自分も壊れているのかもしれない。でも本作の彼女はそんなに変なキャラではないが。なお、本作とは全然関係ないが、このレティシア・ドッシュの監督デビュー作『Le procès du chien』が今年(2024年)のカンヌ国際映画祭で上映され、出演した犬がパルム・ドックを受賞した。2024年9月にはフランスで一般上映される予定である。

この映画のページないんですかとFilmarksに作成依頼した身としてちゃんと投稿。
MUBIで鑑賞。今やパルムドール&オスカー受賞の大監督ジャスティーヌトリエの初監督作。
いろいろ思い通りにいかなくて泣きたくもなるけどまずは楽しんでおきたいアラサーの時期。30分の使い方がうまい。終わり方とてもいい。

ジュスティーヌトリエで2番目に好き、なんかページできてたから再見して感想も書いとく。

冒頭のパーティーシーケンス、カメラが寄ることで、不安がもたらす覚束ない身体性を強調。
物語を牽引する身体性。クレールドゥニのダンスシーケンスぽくてよかった。

特にプロットに何も影響は与えないが、謎にカール・ラガーフェルドっぽい祖父とか主人公がやってるアートのセンスとかディテールまで好き、びっぐらぶ💘💗

ソルフェリーノで観られた抜群におもろい会話、逆にトリエらしくないテクノな劇伴等初期だからこそのおもろさがあった