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聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~のmaroのレビュー・感想・評価

2.5
2024年日本公開映画で面白かった順位:145/145
  ストーリー:★☆☆☆☆
 キャラクター:★★☆☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★☆☆☆☆

※以下、敬称略。
『聖☆おにいさん』の実写映画化。
漫画、アニメ、実写ドラマときてからの今回の映画だ。
僕は原作漫画はだいぶ前に数話程度読んだことあったけど、本作の元となる実写ドラマは未鑑賞。
本当はせめてドラマ版を観てから鑑賞したかったけど、時間もないし、まあ映画とストーリー関係なさそうだから別にいいかなと(笑)
ちなみに、チラッと観た感じ、第I期の『ブッダの休日』、第II期の『福引き』は同じエピソードを映画用に撮り直したっぽい。

さて、見出しがだいぶ辛辣な感じになってしまったけれど、これは紛れもない事実であり、おそらく今年ワースト1の作品かなと。
福田雄一監督の映画は、個人的に『新解釈・三國志』(2020)からハマらないんだよなあ。
それまではけっこう好きだったんだけど。
自分の笑いのツボが変わってきたのか、それともいわゆる"福田節"と言われるパターンに飽きてしまったのか。
おそらく後者だけど。

まず、全体的にグダグダ。
そういう映画と言えばそれまでなんだけど、キャラクター同士の掛け合いが長すぎてテンポが悪く、話が全然前に進まない。
同じようなセリフややり取りを延々と繰り返すので、ハマる人にはハマるけど、ハマらない人には苦行そのもの。
ハマる人にはハマるというのは、劇場でツボに入っていると思われるお客さんもいたからだ。
とはいえ、2~3人ぐらいだったけど。
124席が満席の中でその人数なので、1~2%ほどだろう。

そして、その“福田節”というのがもはや内輪ノリのような印象を受ける。
言葉で書いても伝わりづらいけれど、突然大声を出したり、変な踊りを始めたり、台本のないアドリブ合戦が始まったりと、作ってる方は楽しいんだろうなと思うものの、観ている方との温度差がありすぎてついていけないのだ。
そう、作ってる方は楽しいと思う。
僕だって目の前で岩田剛典が謎ダンス始めたり、藤原竜也が自身の過去作をネタにしたら笑ってしまうかも。
その「えっ、この人がこんなことやっちゃうの?」っていうギャップは楽しめると思うけど、スクリーンで観ると温度差を感じる。
まあ、藤原竜也のネタだけは笑ったけど(笑)
とはいえ、「こいつらにこんな面白いことさせられる俺おもろいやろ」っていう監督のドヤ感が垣間見える。
それがこの作品で僕がハマらないところで、これ見よがしにウケを狙いにきてるのがいやらしく感じてしまう。

ストーリーも正直よくわからない。
『ホーリーメンVS悪魔軍団』とはなっているものの、別に本当に戦うわけではないし。
終盤の戦いはパクりのオンパレードで、まるで結婚式の二次会で流れるような雰囲気の設定だった。

そんなわけで、原作漫画とはキャラクターが同じ以外何も被っていないようなので、あえてそれを読む必要はないけど、ただひたすらに笑えない時間だけが過ぎていったように感じた。
各レビューサイトの評価も低いものの、こういう映画でも満席なのだ。
それはキャストの豪華さとゆるいコメディという観やすそうな雰囲気が人を呼ぶんだろう。
とりあえずチケットさえ売れてしまえばいいので、商業的にはある意味うまいのかもとは思いつつ、あんまりオススメはしない(笑)
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