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ステレオ/均衡の遺失のROYのレビュー・感想・評価

ステレオ/均衡の遺失(1969年製作の映画)
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クローネンバーグが学生時代に制作した長編デビュー作

副題は「Tile 3B of a CAEE Educational Mosaic」

クローネンバーグ好きは見るべき

■STORY
ルーサー教授は脳手術で言語能力を失った男女を共同生活させ、彼らがいかにコミュニケーション手段を確立するかを実験する。最初はテレパシー能力を覚醒させる実験だったが、やがてそれは意外な方向に向かう。

■NOTES(VHS裏面より)
クローネンバーグの実験室

1969年に作られたクローネンバーグ監督の処女長編映画。とある近未来の物語。そこはテレパシーの実験に取組む科学者たちがいる。不思議な現象がそこ、ここで見られるが、彼らは冷静に、まるで魔術の儀式のように実験を続ける。やがて、被験者のひとりが精神に異常をきたして・・・・・・。

『スキャナーズ』にも引きつがれた科学に対する皮肉など、クローネンバーグのセンセーショナルな発想の原点が盛りこまれた、映画ファン必見の実験作品。

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本作はモノクロ/サイレントで撮影された。クローネンバーグが使用していたボレックス(Bolex)のカメラのノイズが大きすぎたために無音で撮影されたのだ。ストリングフェローの理論を信奉する様々な人たちによる、科学的、形而上学的な専門用語をパロディ化した解説が後に加えられた。撮影は、トロント大学スカボロー・カレッジのアンドリュース・ビルディングで行われた。

Wikipediaより抜粋/翻訳

■THOUGHTS
科学批判、肉体と精神、コミュニケーション、遮断、超能力。クローネンバーグの要素がデビュー作にしてつまっていた。

モダンな建築物や独特なカメラワークなど、あまりクローネンバーグらしくないところも見れて面白かった。

音がしないヘリコプターめっちゃ違和感あった

無機質なモノクロ映像に、被験者のボイスオーバーが入る。ときどきスローモーションになったり、歩いてくるところを真正面から撮ったり、なんか知らんがゾクゾクする。『シルバー・グローブ/銀の惑星』的な。

姿を見せないDr. Luther Stringfellow(ルーサー・ストリングフェロー博士)としての科学者クローネンバーグ
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