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麻薬密売人 プッシャーのyokoのレビュー・感想・評価

麻薬密売人 プッシャー(1997年製作の映画)
4.5
主役のおっさんに共感できない場合トム・ハーディが演じていると思い込めばなんか可愛く見えてくるので観れる。微妙に似てない?

追いかけている刑事の緩さが素晴らしい。
刑事に薬取引をマークされていて主人公フランクが逃亡の末、川に飛び込み逃げるのだが、刑事はなかなか川に入らず早く上がって来いとうながす笑、飛びかからないし、拳銃も構えない。デンマークマナー。

ラストの方で赤いライトに照らされた顔が暗闇に浮かび上がる感じこの辺はすごいレフンぽい。

あのラスト表情は何を表しているのだろうか。主人公は先の見通しが出来ない人物でこうしたらこうなる、が考えられない人間だ。表情もチンピラそのもので感情と表情は直結して深いものはないのだが、しかし最後は地獄の黙示録のウィラードみたいな虚無の表情で固まったまま、何かに思いを巡らせ話は終わる。一寸先のことを考えているのだろうか、どうせ金もないから手打ちも無理だ、ヤケで殴り込み行くか、恋人がなぜお金を持ち去った?かわかってないだろう。いや気づいたのか?それとも処理が追いつかずフリーズしたのか。短絡的な男がどの選択肢もないと悟った表情か?

ラストは何故ちゃんと書かないのか、あの時点で終わったからだ。余韻とか色々な解釈を持たせたいからではなく、ぶつ切りではなくもう彼の人生はもう広がらないという意味でちゃんと書き切ったのだと思う。

🥖🥖🥖
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