短編映画「ノーマル」は、知識の追求と正義の理解における危険な落とし穴を鮮烈に描き出している。物語の主人公ダニーは、自身の空虚感を埋めるために極端な思想と行動に走るが、これは知識の危険な側面（偏った理解が生み出す破壊的な終わり）を象徴している。

私たちは往々にして、正しさを追求するために知識を集め、多角的な視点から理解を深めようとする。自分に近い思想、対極にある考え、そして客観的事実を並べ、自分の立ち位置を慎重に見定めようとする。しかし、皮肉なことに、この緻密な知識の地盤を築くプロセス自体が、かえって順応性を失い、硬直した自己を形成する罠となりうるのだ。

既存のシステムや思想を単純に破壊することが正義だと考えるのは、致命的な誤謬である。「正しさ」は常に相対的で、他者の視点からは全く異なる意味を持つ。ダニーの物語が示唆するのは、自分の信念に絶対的な正当性を付与することの危険性、そして知識が時に最も破壊的な武器となりうることだ。

真の理解と変革は、破壊ではなく対話と共感を通じてのみ達成される。自分の信念に疑問を投げかけ、常に謙虚であること。これこそが、知識を智慧に、そして行動を建設的な変革に昇華させる鍵なのである。

この物語は、私たちに深い自省を迫る。知識は力であると同時に、慎重に扱うべき危険な刃物でもある。常に自分の思考の限界を認識し、他者の視点に開かれた心を保つことが、真の理解への道なのだと感じた。

シンプルが一番さ！

• #fuji_2024

2024/10/23
マルクスと一緒にわたしも資本主義ぶっ壊すか〜