前半の主人公が痛々しいというよりも腹立たしくてしんどかった。どうやら私には「どんなにネガティブな出来事があっても、それは周囲の人、特に見ず知らずの人に当たり散らしていい理由にはならない」という強い価値観があるらしい。現実世界でも、アンガーマネジメントできない人が苦手だもんなあ。それゆえ佐野に全然感情移入できずうーんとなってしまった。でもそれは、私はコントロール不能なほどの絶望をまだ味わったことがないということなのかな。
後半は最高だった。画が終始綺麗だったのと、山本奈衣瑠ちゃんがめちゃくちゃ良かった。カップラーメンの食べ方、100点。女性目線でも男性目線でも可愛い女の子って最強じゃないか…
旅先で新しい人と出会うことや、恋に発展しそうな予感を感じること。その瑞々しい喜びが詰まっていて、観ていて思わず笑みがこぼれてしまうシーンがたくさんあった。
説明的すぎないのに、ちゃんとわかりやすいのもよかったな〜。
こうして振り返ると、佐野が自暴自棄になって周りにバッドを振りまいていたこと以外は最高の作品だったのだと気がついた。それでもこの点数に落ち着くということは、やっぱり私にとっては登場人物に共感できるか否かが映画の評価を最も大きく左右してしまうのだということ…
みんなスーパーハッピーフォーエバーを目指したくなりがちだけど、スーパーハッピーな状態はきっと非日常で、ずっとそれを続けようとするとバランスが狂ってくるものなんじゃないかな。だからブルーハーツの言うように、なるべく小さな幸せと、なるべく小さな不幸せを集めて生きていくっていうのがいいんじゃないかなぁと、最近は思っている。
Beyond the sea、いい歌だな〜!
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