本物以上のお母さん、って妻夫木くんのセリフが恐ろしい。
大好きな妻夫木くん、池松くん、涙の似合う俳優二本立てはもちろん観るでしょ。
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「大事な話があるの」その夜、母・秋子(田中裕子)は嵐の中、濁流の川に消える。その母が“自由死”を選んでいたのを知らなかった1人息子の朔也(池松壮亮)は、なんとしてもは母の本心が知りたくなる。
生前のパーソナルデータをAIに集約させ、仮想空間上に“人間”を作る技術VF(ヴァーチャル・フィギュア)を使って蘇った母と、協力してくれた母の親友だったという彩花(三吉彩花)と、三人の奇妙な同居生活が始まる。
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石井裕也監督、盛り込みすぎです。
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朔也も母を助けようとして濁流に飛び込み、目が覚めたら1年近く経っていたってところから物語が動き出す。
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今はこーんな技術があるんだぜ!と幼馴染の岸谷(水上恒司)がVF開発者の野崎(ぶっきー)のところに連れて行ってくれる。
その技術を紹介する場面で、綾野剛くんが「私はVFで作られた存在なんです」と出てきておぉ!っとなる。
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誰が生身の人間で、誰が架空の作られた人間か区別がつかない。そんな世界。
でもそれ、バーチャルでしょ。ゴーグルいるでしょ。突っ込む私。
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同時に朔也が野崎に紹介されて始めるリアルアバターと言う仕事。スマホとカメラを通してアバターの見たもの聞いたものが逐一依頼者に伝わる、他人の依頼を受けてその人の代わりをする。
作中ではベッド上のお年寄りが最後に海が見たいと言う。朔也が代わりに海まで行きその見ている画像が年寄りに届く。
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いい話?そんなわけない。
野崎のいう楽して稼げる仕事。今みなさんの頭に浮かんだ最近流行りのあのキーワード、ありますよね。胡散臭さ満載。
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急逝した母が“自由死”制度の登録をしていた!ってだけで「PLAN75」の世界。
明かされる母の過去と自分の生い立ち。
仮想空間上に“母”は本当にあの母なのか。
VF(ヴァーチャル・フィギュア)に闇バイト
そして彩花との距離感をどうしていいかわからない朔也。
命ってなんだろう。
私は何を頼りに生きていけばいいのか。
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うん。社会派人間ドラマは好きだけどね。
私の石井監督作品No.1は「夜空はいつでも最高密度の青色だ」なんだよなー