オーウェン

半落ちのオーウェンのレビュー・感想・評価

半落ち(2003年製作の映画)
2.5
横山秀夫の原作が面白かったので、この映画化には少なからず期待していた部分があった。
でも良い素材も脚色次第では殺されてしまう。
そもそもあの原作を2時間で収めようとするのが無理がある。

章仕立てに区切られ、かわるがわる人物によって梶という男自体と、個人の人間関係にまで深く根ざしていく。

だから簡潔になる映画版を見ているとどの人物も描写が浅い。
各人とも最後に必ず梶との対話をこれ見よがしに見せる。

最後なんて明らかに感動を狙っているが、表面上もいいとこだ。
それもこれも空白の2日間の是非が軽すぎる。

肝にある部分の種明かしがされたときの原作の興奮と感動は映画版には微塵も無い。
やはり3時間ぐらい掛けてでもじっくり描くべき代物だ。
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