似たような性格のおっさんがリリアンギッシュを巡ってゴタつく映画(テキトー)なので、人物相関の把握に少々戸惑ったがなんとか見れた。ちょっと風が強い王国にリリアンギッシュがやってきて…みたいな話かと思いきや、従兄弟の嫁から妬まれいびられ、風に怯え精神が参っていくというSFホラーじみた話でゾクゾクする。ギッシュがアイロンかける横で従兄弟の嫁が子羊(?)の内臓をえぐり取るシーン狂ってて最高。シェストレムだと、同じく自然の恐ろしさを描いている『生恋死恋』を想起するが、あの場合自然はあくまで夫婦の肩を持つことなく突き放すような印象を抱いていたので、本作ラストの扉の向こうから吹いてくる風が『生恋死恋』とは対照的に祝福ムードなことに驚き。MGMに差し替えられなかった世界線もできることなら見てみたかった…。