【シッチェス映画祭2023　New Visions部門出品】
クアックス監督の新作。シッチェス映画祭に出品されたホラー映画。

3部構成になっておりそれぞれに特に繋がりはない。地獄に落とされた男の地獄巡り？記憶廻り？を描いている。

ストーリーとしては特に新味があるわけではないのだが、ヴィジュアルが鮮烈でなかなかインパクトがあった。それでいて正統派ホラーの佇まいも崩していないのがいい。

個人的には2部、サイコパス少女と「トニー・ザ・モンスター」の話がよかったかな。話としてはあってないようなものなんだけど、ヴィジュアルがいい。ゴシックホラーのようなクラシカルな良さがあった。

まぁ結局何が言いたい話なのかよく分からないのが難点だが、オムニバスホラーとしてはなかなか楽しめた。もう少しそれぞれに繋がりを持たせてくれればよかったのになぁとは思う。でもこれはこれでよし。秀作ホラー。

• #シッチェス映画祭2023

フランス産死後の世界系セミオムニバスホラー

事故死して地獄に落ちた男が、なぜか赤の他人2人分の地獄行き人生を見させられるオムニバス形式なんだけど、それならもう1～2エピは欲しいよねぇ…何で急にその2人(話)分だけ？ってなる

地獄の門をくぐるまでのクダリはけっこう好き

顔面破壊系グロあるけど遠/暗

めちゃカワねこちゃんは無事です

2024年5月28日

交通事故で死んだ男が地獄という名の赤の他人の人生を巡る（見せられる）フランスのホラー映画。

冒頭、主人公（ネイサン）が道路に横たわっている。起き上がり、何が起きたのか把握できていないようだが、ネイサンの視点は一方向に向いている。視線の先をカットを入れず、交通事故という事象を認識するまでの流れが（視覚的にも）スムーズで面白い。

その後、ネイサンは事故の相手となるダニエルと話し、状況をあまりよく理解できていないとき、通りがかった見知らぬ男が自身の死体から財布をまさぐり金を抜き出している光景の手持ちカメラ、右/左とフォーカスを変え、カットが入る寸前に「言っても伝わらない」そして「自分は死んでしまった」という絶望を味わうネイサンの表情を捉えたショットが印象的。地獄へと続く扉が現れるのも面白かったけど、正直ここがピーク。

ネイサンが扉に入ってからは、地獄世界を巡ったり自身の過去と向き合うような流れでもなく、似たように苦しむ魂、即ち赤の他人の人生を覗く。
この、冒頭→少女の話→母親の話→ラスト、という流れなのだけど、普通につまらない。
少女の話はクリーチャーのヴィジュアルは良かったけどストーリーのスカし具合がわりとある。演劇のシーンとセリフは良かったけど。

終盤ではネイサン主軸に戻り真っ赤な空間の中クリーチャーと対峙するけど描写のインパクトもあまりない、中盤のトニー・ザ・モンスターのボディの方がまだ、って感じ。
とても面白くなりそうな感じはあったけど総じて普通。

• #日本未公開ξ