2024年に50年の逃亡ののちに逮捕された桐島聡を題材にした作品。
若い頃から始まって晩年にかけてを、過去の自らとの対話、反日武装戦線のさそりのメンバーとの対話などで補足しながらその一生を追っていく。
誤認逮捕で指名手配され、50年もの間、偽名を使って己を消し、目立たないように静かに暮らす。
苦しいほどの孤独や絶望、そして決して消えない「革命」への執念。
最終的に逃げ続けることが桐島にとっての闘争になっていく。
ニュースでも話題になった、病院で自分の本当の名前を打ち明けるシーンはぐっときた。古舘さんの演技がよかった。
彼の魂はまだ闘い続けているのかもしれない。そう思わせる軽やかな後半のシーンが心に残った。
足立監督自身が日本赤軍に身を投じていたからこそ描ける作品だと思う。
ここら辺の時代は難しくて、よくわからないことが多いけれど、あの時代の独特の空気感とかは体験した人でないと出せないものだと思う。それを作品から感じた。
若い頃を演じたらいるくんの、流されるまま逃亡生活を始めた頃の戸惑いや、折れそうな心を奮い立たせるような演技もよかったなぁ。。