監督のインタビューを読むと、「女性が良い人や優しい人として描かれる風潮に腹が立ってる」という類の話もあったりして、その想いがエマニュエルの女性像に乗っかってるのは理解できる。
でもおそらく抑圧と解放というテーマ性が大きなところを占めるであろうこの物語を描くにしては、あまりにも最初から全開すぎるなぁとw
それゆえ、他ではなかなか見ることのできないラストシークエンスにも一切のカタルシスを感じることができず。。
確かにエマニュエルが内省的に転じていく様子は描かれているのだけど、さざなみのように展開していくので、アンテナをビンビンに張ってる人にしか響かない気がしたかな。
まぁ、国民性の違いといえば、それまでなんでしょうけど。本国フランスでは一般層にも結構評価の高い作品らしいですから。
ウォン・カーウァイやホウ・シャオシェンを思わせる後半のテイストや、作品を包む官能的な雰囲気や音は良かったですけどね。
「あのこと」では、主役の女の子に近い視点の見せ方が素晴らしいと感じたものですが、相変わらず視覚および引き算の音作りに魅力のある監督でした。