ぽん

レッド・バージンのぽんのレビュー・感想・評価

レッド・バージン(2024年製作の映画)
3.3
20世紀初頭スペインの実話。

母親の英才教育で2歳で本を読み4歳でタイプを打ち8歳で複数の外国語を話し13歳で執筆活動を始め17歳で弁護士資格を取った天才少女イルデガルト。
母親の手によって先進的なフェミニストに育て上げられた彼女が、性の専門家(!)として活動しながら18歳の若さで亡くなる、というオハナシ。

これ、実際の事件について調べてみたら、お母さんのアウロラって人が実に興味深い人物でした。彼女が16歳の時に彼女のお姉さんが未婚で出産、赤ちゃんを妹に押し付けて出奔してしまう。アウロラはこの甥っ子ペペを「生きた人形」として愛し育て、ペペのピアノの才能を見出すのだけど、ペペが宮廷で演奏会をするほどの神童ぶりで評判になると、姉が突然舞い戻ってきて4歳のペペを連れ去ってしまう。この経験がアウロラに、今度は誰にも奪われない自分だけの「生きた人形」を育て上げるのだという強い決意を与え、司祭に「協力」してもらってイルデガルトを生む・・・という流れらしいです。

いやいや、この人メインの物語が観たかったなって感じ。

映画ではイルデガルトの著作物は彼女自身の手になるもので間違いないという描かれ方でしたが、実際は母親が書いてたんじゃないか説もあったみたいで、ますますアウロラの狂人ぶりが際立ってて面白い。

映画の方は、意識高い系の母親が娘を完全に支配して、これぞ完璧な人間、世界を変え得る傑物を創り上げちゃったわーって悦に入ってたら、思春期になった娘が恋をして自由が欲しいって言いだして・・・ってなんですかそのフツーの青春モノみたいな展開は😰
たぶん恋愛エピは脚色だと思う、そこつまんなかったです!事実は小説より奇なりで事実まんまが観たかったです!!恋のお相手の男の子は可愛かったけど!!!
ぽん

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