くう

正体のくうのレビュー・感想・評価

正体(2024年製作の映画)
4.3
「なぜ君は逃げたのですか?」その答えを聞いた時、そうか……そりゃそうだよね。と泣きたくなる。だってまだ10代の学生だったのだから。


そして、これを聞いても刑事の心が動かなかったらどうしよう……とも思ったのだった。


よく出来た予告で、ストーリー切っ掛けのほとんどは予告の中にあるといってもいい。

けれども作品の中には予告では描かれない怖さと悔しさと悲しさがある。


ずっとずっと、理不尽を抱えて走ってきたのに、そうしなければ素敵な出会いもなかったんだよね。


警察のひどさは想定以上だった。「上」からの理不尽は『新聞記者』を思い出す。


え……もっと捜査しないの?と思ったけれど、捜査なんてしなくても決まってたんだよね。


理不尽を抱えて、それでも目的のために走る。決して美しいだけではないロードムービーの中に美しい出会い。


これは受賞するわ。……と改めて思ったこの2024年の末。


司法は正しいことをしてほしい。
くう

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