岩嵜修平

HAPPYENDの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

HAPPYEND(2024年製作の映画)
3.4
批判的意見も見たから、どちらかというと良いところがあれば誉めたい(長編劇映画は初だし)と思って観たけど、終始、嫌悪感。映像としては見る所はあったけど、これを映画として評価できる人は、思想が偏り過ぎてるのでは。自主制作や学生映画ならまだしろ、商業映画でやるのはどうなの。

同じような管理社会の欺瞞を描いた作品なら #恋愛バトルロワイヤル の方が、よほど多くの人に届くと思うし、シンプルに面白かった。政治的スタンスのあり方や能動性を問うにしても #シビルウォー の様に、どちらのスタンスも受け入れやすい話にも出来る訳で、自分と異なる意見の側を戯画的に描き過ぎ。

極端な発言や行動を繰り返す役を、祷キララに演じさせたのも(違和感を持たずに演じた本人への不信感含め)嫌だったし、演出経験が浅い中で主要キャストに演技経験が浅い俳優をキャスティングするセンスも分からない。唯一、主演の栗原颯斗さんは菅田将暉っぽさを自然に出来る俳優として貴重とは思う。

音楽の使い方は、あまりに坂本龍一を意識し過ぎている(リオ・オユヤン・ルスリさん側の希望かも)気がするが、撮影や色使いにはセンスがある監督だと思うので、今回の作品に対する反応を活かした次回作には期待したい。それこそ、方向性は違えど、奥山大史監督の2作目のような調整を楽しみにしてる。
岩嵜修平

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