どれくらいの人に伝わるか分からんけど多分、大田ステファニー歓人の『みどりいせき』から大事なバイブス全部抜き取って残ったものがこの映画だと思う。『みどりいせき』は小説だからこそ出来る独特な文体を見せつけ、レールから外れた若者たちが彼らなりの生き方を自分たちで築いていたワケだけど『HAPPYEND』は映画ならではの画では語らず全部セリフで説明するわ、もはや当たり前であるべきな事に目配せしてます感はなかなかキツイものがある。両作に出てくる主人公周りの人間たちは言ってしまえば時代と若さに翻弄されたバカなんだけど『HAPPYEND』の主人公らは大人(製作側)によってラベリングされた物語の進行のための都合の良い何も考えてないバカのように見えてしまって、この辺の厳しさもセリフから来てるような気がする。あとプチSFチックな世界観やデバイスの「そうはならんやろ」感。まもなく訪れるであろう大地震の匂わせもペラい。
監督まさかの教授の息子だったのね。