すんごい面白かった!!
恥ずかしながら初鑑賞。でも27年前には私多分観られなかったと思う。歳とった今だから観ても大丈夫な気がした。当時の世紀末的な不穏さを煽るものや「私とは」みたいなのが正直苦手だったのでヱヴァンゲリヲンとかも素通りしている。怖いのが苦手なのもあり、黒沢清作品も観たのは『カリスマ』『ダゲレオタイプの女』『散歩する侵略者』くらい。
教科書かというくらい強度のあるショットと編集で、それだけで面白い。サイコパスvs刑事モノとしてこの手のプロットだけ頂いちゃってる映画やドラマが数多あるなぁと。でも音の配置も含めてやっぱりこの撮り方と編集ありきだなと思った。洞口依子のアップと床にじわじわ広がる水のカットバックなんかうわーモンタージュだ!て感じで教科書的で面白い。
物語の暗喩として、萩原聖人の髪型は役所広司に寄せてるのかなと思った。ふつう同じような髪型の人物を対置させないので。
廃病院の水浸しの診察室は否が応でもタルコフスキーを思い出すんだけど、あの直前までは物語の流れが『ツィゴイネルワイゼン』みたいだなとちょっと思っていた。『ドグラマグラ』でもあるんだけど。色々終わった後のラストが最も不穏。なんだかよくわからないままにされてるものが多すぎてすごい。
ヴェンダースの映画観て、そういや私の中で役所広司は『タンポポ』で止まっている(あのヤクザ役はとてもよかった。いや『Shall we ダンス?』も観たけど)ことに気づき『CURE』を観た。