ラストの解釈をつまみに話せば、ワインのボトル空けられそう。
萩原聖人が演じる正体不明の青年が催眠術を使用して、人が本来持つ嫌悪感を増幅させ、殺人を示唆していく。そしてその連続殺人を刑事役の役所広司が調査するのがストーリー。
萩原聖人の見透かしたような態度に苛立ち、真理をついたセリフにハッとしてしまうが、劇中の人間も同じ反応をしていて、見ている自分もかかるのではという恐怖を感じた。
中盤、青年と刑事が出会い、刑事も催眠術にかかりそうになる(かかった?)ところから、映像の信頼度が下がっていく。時系列もとびとび、幻想、妄想も混ざり、何が正しいのか分からなくなる。この辺りから、さらに面白くなる。
イレイザーヘッドのように、常に不快に感じる環境音が鳴り続けているのも、不気味さを増幅させていて良かった。
そんなわけで、色んな解釈が出来てめちゃくちゃ楽しい映画だった。明確な答えが欲しい人には合わないかもしれないが。