Mayatu

CURE キュアのMayatuのネタバレレビュー・内容・結末

CURE キュア(1997年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

観た後にご覧ください。

催眠術師、間宮の『誰?』という問いかけは、社会が一定の枠であり、そこにいるあなたは誰か?という問いである。園子温監督作品、『自殺サークル』での少年のセリフを思い出す。『あなたはあなたの関係者ですか?』。
間宮が思うに、社会にいるあなたは、あなたの関係者ではない。あなたがあなたに関係するためには、社会から出なければならない。そういう人は、社会から障害とされる。障害とは、誰かの死を自分で成し遂げようとすることにある。誰かとは、社会に関係のあるあなたである。ただ、それは一定の枠にいるあなたであるから、誰もがみなそのあなたである。誰かの死は、容易に殺人という行為になる。
さて、本当のあなたは社会におらず、社会から見れば、あなたは空っぽである。故に、社会に記憶はない。本当の記憶を思い出すために、しかし殺人をするのか。最後間宮は、似たような病気とされる刑事の高田に発砲され殺される。間宮は、死ぬ間際、高田に「全部思い出したか?」と聞かれる。間宮はうなずく。本当の記憶を思い出すためには、病気の誰かに殺されるしかないのだ。高田はさらに発砲した。死ぬのは時間の問題だった。最後の発砲は殺すためではなかった。高田は、『あなたの関係者』になり、障害となった。
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