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ブルータリストのhamashuのレビュー・感想・評価

ブルータリスト(2024年製作の映画)
4.4
4時間弱の上映時間を感じさせない怪作。ホロコーストから生き延びた男の過酷な人生を壮大に描いている。画力が半端ないため、建築現場や建造物に圧倒されっぱなし。ラストにあのカットを持ってくるは流石。構成が上手すぎた。やはりシネコンでインターミッションがあるというのは異質な体験。明るい劇場のスクリーンに15分のカウントダウンが映し出されている画は初めて観た。

アメリカの移民問題は現代においても議論が後を絶たないが、アメリカンドリームを掴み映画のようなサクセスストーリーを歩む人はごく僅かであるという現実を突きつけてくる。それに加え、産物をどこに貢献するのが賢明なのかを提示しているのが良かった。

何かに固執すると本質を見失い、身を滅ぼすというのはよくある話。そのよくある話がここまで面白く描かれているのは監督の手腕でしかない。俳優として作品に恵まれた上に監督としてもここまで評価されるなんて正にサクセスストーリーを歩んでいる。
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