shuichiさんの映画レビュー・感想・評価

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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

4.2

クソがつくほどの胸糞具合で、不愉快極まりないけど、好きすぎる。自分は今作と同じく舞台がオランダの『ザ・バニシング/-消失-』を観た時に感じた胸糞悪さに近いものを感じた。正直、物語が進むスピードは遅いけ>>続きを読む

THE DEPTHS(2010年製作の映画)

3.3

濱口竜介にしては結構評価が分かれている印象。コメディ要素が少なく、特に感動もしない。男娼をしている青年に翻弄されすぎて、観終わった後は呆れたに近い感情を抱いていた。リアリティのある世界観に非現実的な要>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

3.8

これは凄い。鑑賞しているとこの映画が如何に偉大で、今のクリエイターに多大なる影響を与えたのかが伝わって来る。自分は『ファイト・クラブ』や『複製された男』など様々な作品を想起した。タイトル通りペルソナと>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

3.3

演技で訴えかけてくる感じが強く、タイトル正しく情熱を感じる映画だった。暴力の話をするシーンが衝撃的。登場人物たちのズレてる感じや無茶苦茶な感じが笑えた。どのようにしたらここまで解像度の高くリアリティの>>続きを読む

何食わぬ顔(2003年製作の映画)

3.0

濱口竜介監督による学生映画。映画館で初めて学生映画を観た。時代を感じさせるフィルムの質感が独特すぎて、最後まで慣れなかった。若かりし頃の濱口監督の演技が新鮮だし、役柄的にも活き活きしていて、おっとりと>>続きを読む

辰巳(2023年製作の映画)

3.8

画面から殺気と熱気が伝わってくる映画。ポスターのシーンが来た時の気持ちよさが半端ない。日本で撮影しているはずなのに日本とは思えない場所ばかりが出てくる。路地裏や港町が韓国映画っぽい。登場人物の喋り方や>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

静かな衝撃を感じる映画だった。物語は進んでいくものの劇的な展開はあまりなく、ラストで物語が大きく動く。リアリティを演出する長回しとドキュメンタリーを感じさせるショットに自然を感じさせる静けさ。この規模>>続きを読む

PARALLEL(2021年製作の映画)

3.9

劇場公開を逃し、サブスクにもないためどのようにして観ようかと考えていたら、たまたまシアターセブンで上映することが決まり、念願の鑑賞。自主制作でこのクオリティは凄い。大人たちの力が働いてないのもあってか>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

まるで車に揺られているかのように時間を忘れるあっという間の3時間。冒頭からかなり官能的。『寝ても覚めても』こそ印象的な性描写があるのかと思って観たら、そういうシーンが一切なかったから、今作での性描写に>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

初めて濱口竜介監督の作品を鑑賞。濱口監督の作品には社会性やメッセージ性を含んだ文学的な少し堅苦しい作品というイメージがあったけど、全然そんなことなかった。東出昌大や唐田えりかといった若手俳優を起用して>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.0

ゴジラ×コング要素が少なかったし、ご都合主義な展開の連続だし、全然楽しめなかった。コングみたいな奴らの動きや表情が人すぎるし、モンスター感が全くなくて、怪獣プロレスとは思えなかった。重力を使った闘いは>>続きを読む

14歳の栞(2021年製作の映画)

4.0

「死にて〜」、「殺してくれ〜」って思いながら観てた。全員垢抜けてないし、初々しい。こう見ると個性のない人間なんていないね。

シティーハンター(2024年製作の映画)

3.5

シティーハンターは中学の時に再放送を観まくってたから結構思い出深いアニメ。アニメ好きからして、話はそこまで面白くなかったけど、ノスタルジーを感じる作品に仕上がってた。冴羽獠の再現度が高いのは凄く良い。>>続きを読む

ZOO(1985年製作の映画)

3.0

亡くしてから妻の大切さに気づくっていう映画はよくあるけど、この映画はそんな単純な話ではない。入院してる女と関係を持つこの双子の気持ちが全く理解できず、話に全然入り込めなかった。動物の腐敗映像から音楽が>>続きを読む

アンダー・ザ・スキン 種の捕食(2013年製作の映画)

3.0

うーん分からない。あまりにも分からない。批評家からの評価が高くオーディエンスの評価が低いという前情報を踏まえて観たけど何となく納得。多くの男がスカーレット・ヨハンソンのオールヌード目的で観たと思うけど>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

3.5

『異人たちの夏』を観たことないし、原作小説も読んだことないけど観た。前情報なしで観たせいで、両親が幽霊で現れるという設定を理解しておらず、変に深読みしながら観てた。

亡くなった人との別れや同性愛とい
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.0

映画好きが作った映画なのが凄い伝わった。演出や物語は邦画っぽくなくて好きだけど、俳優の演技が演劇の演技っぽくて好きじゃなかった。だから、マキタ・スポーツはまったくノイズじゃなかった。タイムループをして>>続きを読む

マディのおしごと 恋の手ほどき始めます(2023年製作の映画)

3.5

童貞に悪影響を与えるショタコン映画かと思って観たら、童貞が自立する真面目な映画だった。ポスターからは想像できないほどエロくない。逆に珍しいわ。

数に溺れて(1988年製作の映画)

4.0

俺が観たピーター・グリーナウェイ作品の中で1番面白かったし、好き。数字に囚われた3世代の女性が夫を溺れさすっていう現実的に考えたらめちゃくちゃ恐ろしい映画。でも、不謹慎が故の笑いというか、逆にコミカル>>続きを読む

英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

3.8

ピーター・グリーナウェイの長編劇映画第1作目。てっきり難解映画ばかりを作ってる監督なのかと思ってたけど、そんなことはなかった。『プロスペローズの本』は話が壮大すぎて何をやってるのか分からなかったけど、>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.0

メディア批判にしては普遍的すぎるし、暗いだけで言うほど面白くなかった。常日頃テレビで放送されているドキュメンタリーさえも嘘に塗れたフィクションなのかもしれないのなら、報道番組もマスコミも変わらないなと>>続きを読む

プリシラ(2023年製作の映画)

3.0

特別なメッセージ性がある訳でもなく、音楽とファッションで魅了するソフィア・コッポラらしい映画だった。それにしても話が普遍的すぎる。ジェイコブ・エロルディがエルヴィス・プレスリーを演じてる時点で問題があ>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.4

この映画エグいっっって。何回刺されたやろう。心臓痛いって。観客は俯瞰的に見ているから何が起きているか分かるけど、あみ子は自分の世界でしか生きていないが故にずっと楽観的なのが残酷すぎる。自由奔放で子供ら>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.5

宗教映画を期待して観たら肩透かしを喰らう。ずっと性的。女性ってこれ観てどんな感情抱くんだろ。男からしたらエロすぎてギンギンやわ。混沌とした映画だった。

プロスペローの本(1991年製作の映画)

3.0

世界観の癖が強すぎる。ルネサンスを実写化したらこんなんなるのか。字幕付きで観たのにセリフが何を言ってるのか全然わからなかった。寝てないはずやのに寝てたかと思うぐらい話が継接ぎに感じた。面白さで評価した>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

3.9

分かりやすいものを好む日本人が嫌いそうな映画。政治的メッセージはあんまり汲み取れなかったけど、ディストピアものとして面白かった。シャマランぽいっちゃぽいけど、シャマランの映画がファンタジーなのに対して>>続きを読む

カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.0

正直何を言いたい映画なのかは分からなかったし、ポーカーのルールも全然理解できなかったけど、単純に話が面白かった。

主人公が贖罪をするという点からキリスト的なテーマがあることはなんとなく分かる。オスカ
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.8

ターを観た。ケイト・ブランシェットの傲慢な演技が凄かった。凄いからこそのめり込み過ぎて、ストレスが溜まる。ここまで権力に踊らされた人いるんだ。一番の偽善者はター自身。俺はこういうイデオロギーをファッシ>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

こんな映画みたいなことあるんだ。フォン・エリック一家のことを何一つ知らなかっただけに、展開がハードで衝撃的だった。実際にはもう一人息子がいて、その息子も自殺したらしい。映画よりも現実の方が残酷なことっ>>続きを読む

ストーリーテリング(2001年製作の映画)

4.2

トッド・ソロンズ監督の映画は初めて観た。「観る覚悟はあるか!?」ってキャッチコピーが相当煽ってるから楽しみにしてたけど、中々にヤバかった。シニカルなラリー・クラークやハーモニー・コリンって感じの作品。>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.9

俺の今年の期待作。ハードル高めだったけど、ちゃんと良かった。面白かったというより、良かったという言葉が似合う映画かも。画がとにかく良い。ガラス張りの中にメリーゴーランドがあるのとか超洒落てる。メリーゴ>>続きを読む

デモンズ(1985年製作の映画)

4.0

製作総指揮と脚本に留まらずダリオ・アルジェントが監督をしたかと思うぐらいダリオ・アルジェントみたいな映画だった。内容や演出はB級だけど、画がダリオ・アルジェントすぎてA級。ゴア表現もやり過ぎなぐらいで>>続きを読む

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

4.2

ブランドン・クローネンバーグ成長したね。前作までは父親の背中を追っかける息子感が強かったけど、今作で自立した気がする。今作の面白さを維持したまま映画を撮り続けてくれたら、父親より好きな監督になると思う>>続きを読む

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.2

男たちによる血の吸い合い。溢れ出る石油のようにどろどろした男臭い映画だった。今作は評価が高すぎるから、あまり期待せずに観たけど、めちゃくちゃ面白かった。ポール・トーマス・アンダーソンの作品にしてはセリ>>続きを読む

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