無差別イイネは咒殺

FC スカヴァティ 赤から紫への無差別イイネは咒殺のレビュー・感想・評価

-
ヨコハマ・フットボール映画祭2024にて鑑賞。
『パーティー51』トゥリバン闘争と並べて見たい市民による闘争の映画。

全斗煥政権になり、独裁者が国民の関心を政治から逸らすための3S政策(スクリーン、セックス、スポーツ!)の一環?としてプロサッカークラブが創設されていき、やがてKリーグに繋がっていく。
当初はただ単に大企業のサッカーチームを社員が応援しにいくようなシーンも、やがて地域密着やパソコン通信の普及により、2002年の日韓ワールドカップのような国民的盛り上がりへとなっていく。

そんな中、工業都市の安養(アニャン)にあるアニャンLGチーターズのファンは、ある日海底での溶接をテレビで見て、発煙筒での応援を思いつく。
ここからは狂ったサポーターたちの乱痴気騒ぎが続く訳だが、2002年のワールドカップを機に、同チームはソウルへの移動を宣言、そこから彼らの闘争が始まる。
当初は試合の妨害に始まり、市長候補へのプレゼンを経て、遂に市議会での議題に上がるも否決。
座り込みを経て、市民団体としてのプロサッカーチームが遂に誕生していく。

とにかくそのサポーターの狂いっぷりが面白い。下手に敵に回しちゃいけないような狂気の目でブチ切れだしたりと、その熱狂っぷりが羨ましくなる。

大企業の意向で市民の生活から奪われてしまった地元チームを、他ならぬ市民たちこ手でもう一度作り直す。
その姿勢に感動。
全国各地の映画館だって苦しい状況な訳で、市民たちの力で応援できないものかと考える。