“ランボートリロジー4K”③
原作「一人だけの軍隊」では射殺されてしまう“ジョン・ランボー”。映画版では投降して生き残り、続編が製作されることとなり、密林でのサバイバル術やゲリラ戦術、格闘術にも精通した元グリーンベレー隊員としての部分がフィーチャーされた“スーパーソルジャー”的なヒーローとして描かれる事となる。
そんなヒーローをメインに据えた続編では、再びベトナムに送り込まれ戦争捕虜を救出するミッションに挑む、アクション映画としての要素が強化。特に戦闘シーンや爆発シーンが多く、スリリングな展開が続いていく。
個人的に今作を初めて見たのは地上波放送時になるが、当時のガキンチョだった身としては、「いくら悲惨な負け戦だったとは言え、ベトナム戦争なんて昔の歴史の出来事に、なんでそんなにこだわるのか?」などと思っていたが、劇場公開された1985年は、ベトナム戦争が1975年に終結してから、まだたったの10年しか経っておらず、アメリカ国内での戦争の後遺症や戦争捕虜問題が依然として大きな関心事となっていた、この時代背景が今になってみるとよく理解出来る。そして前作から続く退役軍人達の「俺たちは国にこれだけ尽くしてきたのに、国家や国民はそれに対して正当に報いてくれないのか」というテーマも貫かれる。
ただ、そんなエンタメ性とシリアスなテーマの影には、当時の冷戦の影響を背景にした、アメリカの軍事力と英雄像を強調し、戦争捕虜救出への執念を描いた、国威発揚の一環として製作された側面があった事も、コレまた事実。
こうして見ると、モノスゴイ絶妙なバランス感覚と火薬💥と筋肉💪でつくられていた作品。