橋本治の美意識の本作り。ここまで豪華本は浮世絵の世界だった。日本の印刷術の匠の技もあるのかもしれない。橋本治の美意識は、独占するものではなく分かち合う美なのかと思う。
ここでも装丁家の岡田嘉夫との共同作業を通して、橋本治の物語よりも絵も含めての浮世絵というような豪華本になっている。その作業工程で様々な人が関わって一冊の本として完成していくのが面白い。そもそも橋本治はアイデアを出してそれを実現させていくユニットのような仕組みが見ていて楽しい。背景を布の生地から作るとか色指定の侃々諤々の議論、さらに印刷の技術もありそれらが現代の浮世絵のような本を作っていくのだ。3万の本は高くて私は買わないと思うが、図書館にあったら見てみたい。