中3が『命の授業』で
出産シーンの一部始終を観た、と
先月話してきたときに
「知らないとわからない、
わからないと尊重しづらいことって
たしかにあるもんね。
いつかくる日のために
観ることができてよかったと思うよ」
って言ったんですよ。
その自分の言葉が
やたらと思い出される映画でした。
まともな職に就けず
家族を養うこともままならない男が
殺されるところを撮られる
スナッフビデオに出演するのと引き換えに
50,000ドルを手にするお話。
生の瞬間が始まりなら
死の瞬間が終わりで
どちらをも知ってこそが命を知ること。
いや
屁理屈ですけど
でも死にゆく人からすれば
そこに救いを求めたい気持ちも
わからなくはないというか。
知らないからわからない、
わからないから尊重しづらいのなら
死を迎えるために
死をちゃんと知りたくなるのかなあ…
コンセプトは好きです。
ただ
脚本と演出に色味が足りないというか
蓋を開けたときに
おかずのほとんどが茶色くて
目であまり楽しめないお弁当みたいな。
撮り方によっては
名作にもなれるあらすじなんですけどねえ。
あと
個人的にタイトルに不満ありです。
中盤で
なぜ "勇気" なのかが語られるんですが
そこはちょっと頷けなかったので。
