千年女優

ミッシング・チャイルド・ビデオテープの千年女優のレビュー・感想・評価

3.5
弟の日向が共に立ち入った山奥の廃墟で失踪した過去を持つ青年で、現在は行方不明者を探すボランティア活動を行うもその様を霊感を持つ同居人の天野司から心配される兒玉敬太。そんな中で母親から日向失踪時に自分が撮影したビデオテープを送られた彼が、謎を解明しようと司や記者の美琴と再び廃墟へ向かう様を描いたホラー映画です。

映画美学校では『リング』らの脚本を務めた高橋洋から薫陶を受けた近藤亮太が、KADOKAWAが主宰する一般公募コンペティション「日本ホラー映画大賞」で第二回の大賞を獲得した短編映画を長編化した作品で、総合プロデュースにJホラーの第一人者である清水崇を迎えて劇場公開すると規模は小さいながら観客からの好評を集めました。

もともとファンであったJホラーを再現させるとの心意気の通り、直接的な表現は極力避け、何かが起こる予感をじわじわと高めることで観客の想像力を利用して恐怖を煽ります。その過程で台詞での説明が多用されて映像としてのインパクトに欠けるところも多々見られますが、怪談に通じる土着的な日本らしい「恐れ」に挑戦した一作です。
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