それは15年ぶりに聞く、別れた恋人の声だった。20年前、一枚のMDから始まった二人の恋。いつか湊先輩が作った曲、聞きたいです。この幸せな毎日がずっと続きますように。高校で出会ってから2年後、沖縄から上京して二人、東京で幸せな日々を送っていた。誰よりも美海にそばにいて欲しかった。しかしある日、湊は突然、美海に別れを告げる。最初で最後の嘘だった。本当に大事な人だから幸せになってほしい。
『四月は君の嘘』『ひるなかの流星』『矢野くんの普通の日々』新城毅彦監督。福田果歩・脚本家デビュー作。赤楚衛二・上白石萌歌・中島裕翔・玉城ティナ・稲垣来泉・齋藤潤。
次の閏年の誕生日には、湊が作った曲、聞かせてね。
約束だよ。
純度100%の時空を旅するラブストーリー。切なすぎる。ある種、傲慢な選択をした湊に苛立ちを覚えつつ、共感してしまう。湊の気持ち、美海の気持ち、琉晴の気持ち、香澄の気持ち、陽葵の気持ち... 胸が苦しくなるほどに感情が揺さぶられた。
キャスティングが素晴らしい。上白石萌音さんがカバーしている楽曲の映画化を、上白石萌歌さんが美海としてストーリーを紡ぐ。そして立役者、稲垣来泉さんがこの映画を昇華させている。時空を超えて丁寧に各々の気持ちを紡いでいるが、その混沌と散らばっている感情を、一気に陽葵が抱えて整理する。『人魚の眠る家』『ウチ彼』と最近は『推しの子』といい、稲垣さんの今後が楽しみすぎる。『正欲』『カラオケ』『からかい』『室井慎次』2024年大活躍・齋藤潤さんは今年来ます。
それでもいい それでもいいと思えた恋だった
切なすぎる。ラストの展開に動揺が隠せなかった。感情が潰された。何も考えられなくなった。