ブラックユーモアホフマン

女体(じょたい)のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

女体(じょたい)(1969年製作の映画)
4.8
すっげぇ〜〜ヤベえ〜〜
浅丘ルリ子大暴れ。

マトモに仕事もできず、マトモな生活もできず、酒に溺れて、すぐに人の男を好きになって自分のものにしないと気が済まない女を浅丘ルリ子が演じる。

最後のセリフにハッとさせられる。
「男なら許されるのに、どうして女が同じことしたらいけないの!!」
確かに、男女の立場が逆の映画の方が沢山あるし、そういうのはなんならむしろ恋に情熱的に生きる男の人生、みたいに美談のように語られることすら多い気がする。
無意識のミソジニーに気づかされる。

前半は浅丘ルリ子のことを応援しながら見てた。いいぞ!もっとやっちまえ!と痛快だった。後半はもうさすがについていけなくなって、誰かコイツをぶん殴ってくれ!と思った。
そもそもこんな無茶苦茶は男だろうが女だろうが許されないだろって話で、でも現実でもフィクションでも男は許されて女は許されない傾向があるよねということを気づかせてくれる。

情け無いけど何故かカッコいい岡田英次もとてもよかった。
「俺は今まで人のために努力し過ぎた」と言って吹っ切れるところとか気持ちよかった。

絵描きの元カレもクズだったなー。最低だったなぁ。岡田英次の妻も強姦された女の方が悪いとか言っちゃうの最低だったし。でもそれぞれがそれぞれに人間らしくて無様で惨めだった。本当、秋月さんと妹くらいよ、ちゃんとした人。

語り甲斐のある映画。増村すげえなー。
濱口さんが好きだっていうのも分かった。

【一番好きなシーン】
最後、電話をかけるところ……すごい