鑑賞後に、今いちばん見たかった映画だったと思った。選んでよかった。宮城へ旅行へ行った翌日に見るには、最も適した映画だったのではないだろうか。
3週間ほど前、たまたま仙台出身の知り合い(ともなんとも言えない関係だが、ここでは知り合いと書くことにする)のお母様とお話する機会があった。初対面であったはずなのに、あたたかくて、優しくて、あの東京のど真ん中で会えたことが嬉しかった。知り合いが子供の頃どんな子であったか知りたいと頼むと、震災のエピソードからはじまったのだった。過去の中に震災の経験が当たり前にあることに衝撃がはしった。
そのあと、綺麗だから、と夕陽の写真を見せてくれた。幸せを、わたしにも分けてくれたことが嬉しくて、気づくと涙がこぼれていた。突如泣き出したわたしさえも受け入れてくれたことがあたたかったし、一連の流れを見ていた知り合いの眼も優しかった気がする。母親を紹介するなんて、わたし達結婚でもするの?と笑って茶化すと少し困った顔をしていた。
つらつらと自分語りをしたが、こういう映画だった。川の中で想いを打ち明ける菅田将暉の言葉が好きだった。