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花蓮の夏 4K修復版のunkoのレビュー・感想・評価

花蓮の夏 4K修復版(2006年製作の映画)
3.7
台湾東部の花蓮県の小学校で過ごしていた学級委員のジェンシン(レイ・チャン)は、多動性・衝動性が強いショウヘン(ジョセフ・チャン)の友達になってほしいと担任からお願いされる。
なんだかんだ腐れ縁で親友になった2人。高校になりショウヘンはバスケ部、ジェンシンは新聞部に入る。香港から引っ越してきた同じ新聞部のホイジャ(ケイト・ヤン)とジェンシンはある日、学校をさぼり台北に遊びに行くことに‥。ジェンシンのことが好きなホイジャは体を重ねようとするが‥。

15周年で4Kリマスターが上映されています。
LGPTQ+の三角関係。性を意識しない小学生から成長し、高校―大学までを描く。ジェンシンへの淡い恋心を諦めて応援するホイジャがショウヘンとの軽い口約束で付き合うのは高校生らしく瑞々しい。
(ただこの選択をすることで全員が苦しむことになるのだが‥)

物語の展開、私立/国立大学入学の区別や後半のジェンシンとショウヘンの絡みは唐突で少し理解しづらい。しかし95分という短時間で背景の含みも入れながら繋がりもある程度理解できる範囲でうまく編集されている。例えばバスケットの試合を観戦しながらジェンシンとホイジャが話していた内容も言及されない中想像させるのがうまい。

やはり台湾映画はロケーションがイイ。
遠くまで広がる田園風景とローカル電車/バイク、校庭に佇む机と椅子、1人暮らししているジェンシンの家などどこを切り取っても美しい。
ラストシーンの浜辺は3人のシガラミを全て波が攫って行くように見えて、素敵。
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