のすけ

モスキート・コーストののすけのレビュー・感想・評価

モスキート・コースト(1986年製作の映画)
3.7
ピーター・ウィアー監督。
ポール・シュレイダー脚本。
ハリソン・フォード、ヘレン・ミレン、リバー・フェニックス。

4兄弟の長男(リバー・フェニックス)の視点で描かれる物語。
発明家の父(ハリソン・フォード)に振り回されまくり絶望の淵まで行ってしまう家族を描く。
ある日父の暴走で思い立ったかのように今までの生活を捨てジャングルに移り住む。この父、だいぶやばい。「おれは間違うとき、いつも大きく間違う」と言っていたが、自分の意見以外を排除し、深く考えずにぶっ飛んだことをするので危ない。
父に洗脳され続けた子供たちも最後にようやくおかしいことに気づき父を置いて脱出しようとするが‥

誰の言うことも聞かない頑固というレベルを超えて病的な父をハリソン・フォードがうまく演じている。
母親役のヘレン・ミレンは近年歳を重ねるごとに大女優の風格が増してきて素晴らしいと思っているが、この作品でも父に振り回されながらも見捨てることができない母役を見事に演じている。
リバー・フェニックスは作品を観る度にもっと長く彼をスクリーンで観たかったと感じてしまう。
マーサ・プリンプトンが『グーニーズ』の翌年に脇役で出ていた。

なんだろう、不思議な脚本で、誰も扱わなそうな題材だし癖ありなんだけど、よく練られていて結果的に面白い不思議体験。
ピーター・ウィアー監督なのもいい。
ラストがもう少し練られていたら尚よかった。