このレビューはネタバレを含みます
本公開は来年(2025)だが、石橋夕歩監督作品ファンなので第34回 映画祭 TAMA CINEMA FORUMにてひと足先に鑑賞。人間若干の変化はありつつも根の部分は中々変わらないのに対して、"変化のあった現実"=本作では"中学時代の初恋の人が死んだという事実"は確かに存在している対比が見事。その辛い現実、事実と向き合い、30代の美咲が現実を受け入れるまでがリアルに描かれていたと思う。
脚本は上村奈帆さんではあるけど、石橋夕歩監督らしい自然な日常描写は本作でも感じられて嬉しい(特に冒頭の自転車のシーンや会社のシーンとか)。
中学時代からレストランの店員にちょっとズレた受け答えをしていた浩助が、大人になっても美咲に対して"でもやることはやってたんだ"とか、"じゃあ俺と付き合うか"とか2回も失言しちゃうのきっつい...でもそんな浩助のズレてる部分があの時の美咲の心情的には救いになってたのかな...?とも。あの時の美咲じゃなかったら普通に友人関係終わってそう。。
舞台挨拶で石山愛琉さんも印象に残ったシーンに挙げていたけど、最後に美咲が圭介の部屋で彼から貰ったMDを返却することで現実を受け入れられたんだなってところは印象深かった。