【性欲の取り扱いの異なる人々の共存するニューヨーク】
■あらすじ
長編『ヴァラエティ』に先駆けて、ニューヨークのポルノ映画館「Variety」を舞台に作られた短編作品。タイトルは、サイレント期から活躍した女性映画監督ドロシー・アーズナーによる1930年製作の同名のハリウッド映画作品に由来する。
■みどころ
ポルノ映画館「Variety」を舞台にした短編集。
ベット・ゴードン代表作「ヴァラエティ」の着想元でもあり、何か所かは「ヴァラエティ」を連想する絵面が見られる。
そんな本作は男女間でのセクシャリティに対する捉え方・発散の仕方が異なっていてそれを発する言葉、佇まいで表現していてこの映画で監督の色が見えてきそうな立ち位置だと思った。
権力構造の違いとか欲望を大義でラベリングするむっつりスケベな人の賢者タイムみたいな映し方もニューヨークのアングラな世界観も相まってどこか妖艶ながらダーティな感じが上手くハマっていると思う。
ここぞとばかりに虎を用いた官能話をした後に「で、電話料金はまだ?」と切り返す男の潔さは面白かったです。