このレビューはネタバレを含みます
連続殺人鬼に姉を殺されてしまった主人公・ルーシー。
自分が未来に戻れば姉が殺されてしまい、亡くなった姉を救えば自分が消えるかもしれない。そんな選択を迫られたときはどうするか。姉を救って、自分も生きる。どちらも叶えてしまうのが映画の良いところ。
犯人候補が何人か登場するミスリードも上手く、殺人鬼との追いかけっこもダラダラせず、90分とコンパクトながらしっかりとエンタメとして楽しめるタイムスリップムービーになっていた。タイムスリップ描写がスタイリッシュで近未来感があったのも好き。連続殺人鬼モノというと未然に防ごうとするものの救えずに亡くなってしまうが最後の一人は間一髪で救える展開になりがちだが、本作では殺されるはずの人物を複数人救えてしまう展開もなんだか新鮮。
いつ冒頭のシーンに繋がるのかと身構えてみてしまったが、マルチバース展開になるとは予想外。過去に行ったきり戻らない『アベンジャーズ/エンドゲーム』のスティーブ・ロジャースのような選択を主人公がすることは、元の時代の家族との関係性を考えたらそれほど意外でもないのかもしれない。娘を失った悲しみを妹で埋めようとする両親の気持ちはまだ、自分にはわからないけれど。
さらりとセクシュアリティを絡めてくるところがネトフリっぽくもあり。ゼンデイヤのようなビジュアルのルーシー役のマディソン・ベイリーが可愛らしくこれからも注目したいと思える俳優に出会えたのも嬉しかった。