1300本目

自身の性別に違和感を持つ少年がゴッサムシティに来てジョーカー・ザ・ハーレクインというコメディアンになるお話

ヴェラ・ドリュー監督の自伝的な物語をバッドマンという既存IPに乗せて描き出した映画．公式からは非公認で映画祭上映時には権利関係の都合で上映中止に追い込まれたらしいが、「バッドマン」のコンテンツを上手く活用しながら極私的なトランスジェンダーの物語と既存IPの再構築が図られていた。
VFX、アニメーション、合成、3DCG、カートゥンアニメなど様々な表現を横断する演出群が面白い。クラウドファンディングで制作資金を集めた都合上予算が無かったためこのような表現にした……とのことらしいが、軽快な映画のタッチと相まって観ていて素直に楽しい。
歴代ジョーカーの参照と『ジョーカー』の（表面的な）オマージュ、「正義」としてのバッドマンなどの既存のコンテンツに満ち溢れた作品ながらも、それらの再解釈と再構築が上手く果たされており、唯一無二のものを描きながら監督自身の「祈り」に着地する構成が見事。面白かった！

• #MUBI

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幼少から自認と齟齬のある身体で生まれたことに悩み、無理解な母親によって薬で笑顔を矯正して生きてきた少年。いつかテレビで観たコメディアンに憧れ、コメディの禁止されたゴッサムにおける唯一の芸人学校行きを決行。

でも何やら出演にはデカいお金が〜的な胡散臭い話になり、そんなん無いしそこで仲良くなったペンギン氏と共に、笑えないことだけをやる独自のアンチ-コメディ劇場を立ち上げることに。そうして出来た劇場でのMr.Jとの出会いが彼女の運命を変えていく…みたいな。

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大元ジョーカーを知らないものの気になって視聴してみた、ご存知悪役をベースにして、”Joker The Harlequin ”を名乗る主人公が自身の性自認や親、恋人と向き合いつつ、バットマンのコメディディストピアと戦うお話。

諸々の口紅引き…ダンス…病院…僕らがよく知る『ジョーカー』もあったりして、ここら辺はバッチリ分かった！

モノとしてはがっつりジェンダー系なのでお話自体は小難しめ。バットマンのキスシーンを観た時にニコール・キッドマンの方になりたかったとか、母親と医者が「母を悲しませたいのか？」と責めてくるとか、ラストのミュージカルとか、自伝的な分だけ真に迫る箇所が多々あり、やっぱり序盤の幼少期が辛い…。

それで結構暗めのノリなのかな〜と思いきや、実写、2Dアニメ、3Dアニメ、ペーパーにパペットまで網羅されている多彩ぶりで、映像的には明るく観てて飽きないです。

ただまぁ…誰も彼もマシンガンのように喋り続けるため、流石に言語パワーの足りなさがあったよ。リベンジしたさがあるな〜。

個人的に気に入ったのは、カスCGの植物マンによる捕食シーン、ラストシーンです。

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