今まで海賊盤で観るしかなかった作品が映画館の大画面で観られるなんて、良い時代になったと思う。
もともとはビデオ撮りの作品だから、スクリーンで上映できるくらいまで映像をレストアしたこと自体がすごいのだけど、Let It BeやGet Backを見た人からしたらそんなの関係ねぇ!という具合に客席からは静かな怒りの声が聴こえていた。
ドルビーアトモスの音響を映像付きで楽しむなら2700円もやむなし、なのだろう。どんどん映画という趣味が高級になっていく。
それはそうとして、映像の内容的には曲の間に挟まれるメンバーのインタビューに興味深い点がいくつかあった。ポールが作曲家を志した14歳の頃はまさかロックンロールがこんなに流行るとは思わなかったので、当然のようにフランク・シナトラのようなポピュラーシンガーになるのだろうと思っていたとか。生まれた時期を考えたらそりゃそうだと思った。
冒頭とラストには現在のおじいちゃんポールの回想コメントつき。本人的には普通にしゃべってるだけなのだろうが、ファンとしてはいちいち感動して泣けてきた。