13歳と15歳、各々感じる学校の理不尽な抑圧。そんな小さな不満が矢継ぎ早に語られる。濃密な時間。父とのレジャーは写真で。経験した途端にあっという間に過去になる。だから成長できるんだけど。妹アンヌと姉フレデリックが同じぐらい活躍する。理由なき反抗ばかりだけど、姉はもう大人びてる。OAS(アルジェ独立に反対する極右団体)抗議デモを鎮圧した政府の殺人の話をしたあの子と連帯する。チャイムが鳴ってみんな出て行く。教室にポツンと取り残される彼女。先生だけが彼女を見つめる。冒頭のアルジェから亡命した中庭に一人残された新入生と対になる。おちゃらけた友達はファシストと仲良しに。アラン・レネ『ミュリエル』と同じ名の友達は家出の後に学校で『メルド』を連呼して退学に。その父となぜかキス。そして外泊先で恋人に幻滅。演劇の打ち上げで教師の人間らしい一面を見て微笑む。父はすぐに立ち去る。母は新しい恋人に慰められる。そしてまた同じ海岸へ。一回り大きな円環構造。とてもいい。