龕裡

ファーゴの龕裡のネタバレレビュー・内容・結末

ファーゴ(1996年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

 ノーカントリーと同じコーエン兄弟の映画だけあって、かなり共通点のある映画。
 洋画のブラックコメディのあるあるとして、「悪事を企てるも少しずつ計画が狂いだし、物事がどんどん悪い方に進む」があるけどファーゴは正にそんな感じで、自分はこれ系の話を見ていると胃がキュッとなるのでしんどい。これを許容できるかで満足度が変わってきそう。
 カーディーラーのおじさんは、普通の家庭を持ち、奥さんの家は金持ちで、しかも奥さんは良い人なのに、悪事を企てた。多分女署長は動機が理解できず、不気味に思ったのだろう。でも奥さんの家は金持ちで、しかも奥さんは良い人だから悪事を企てたんだと思う。そう考えると女署長の家庭も、奥さんが署長という大出世をしている傍ら夫はうだつの上がらない画家であり、残酷なことに奥さんは良い人だ。この映画は最後に署長夫婦が灯りも消した真夜中にテレビの光で青く照らされながら「私達って幸せよね」と確認して終わる。不穏でしかない。見終わったとき、気持ち悪さだけが残った。
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