龕裡

ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火の龕裡のネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

 一貫して流れる湿度が高そうで且つ静謐な雰囲気はタルコフスキーのストーカーの様で、ティーガー戦車の亡霊や死の淵から蘇った奇跡の男といった荒唐無稽な設定も思わず飲み込んでしまう魔力がある
 しかし最後のヒットラーの語りを聞くに、ティーガーの亡霊はユダヤ人やロシアに対する憎悪というヨーロッパの総意が生み出した怪物で、つまり「我々ロシア人はナザーレフのように戦争も終わった後もこの怪物と戦い続けねばならない」というのがこの映画のテーマらしい(ヒットラーの語り掛ける顔の見えない兵士が”ティーガーの亡霊”なのだろう)。これは昨今の宇露戦争の事を考えると、あまりに今のロシア的な考えで、あまりいい気はしない。一応軽く調べたところ、当の監督は、当初はウクライナ侵攻を支持するも、現在は「勝つのは難しいし国際社会で孤立するからやめろ」という考えみたいだが
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