絶対の客人

アット・ザ・ベンチの絶対の客人のレビュー・感想・評価

アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)
4.9
近々開始される都市開発工事のために整備されて平地になってしまった、かつては公園だった場所に何故か取り残された一脚のベンチ。そのベンチを舞台に4組の人間模様が描かれる会話劇♪

『EP1』&『EP5』脚本:生方美久
ついこの前まで公園だった場所がいつの間にか更地になっている事に気付き、なぜか無性に幼馴染(仲野太賀)と話しがしたくなって電話をかけて呼び出した、買い物帰りの女性(広瀬すず)は…

『EP2』脚本:蓮見翔
彼女「別れよう」
彼氏「イヤだ」
彼女「じゃあ別れるのやめよう」
モヤモヤMAXの彼氏(岡山天音)は、なんで別れたいと思ったのかを彼女(岸井ゆきの)に問い詰めると次から次へと出るわ出るわ😱それをたまたま背後で聞いていたオッサン(荒川良々)も会話に加わり…

『EP3』脚本:根本宗子
更地にポツンと佇む一脚のベンチをねぐらにするホームレスの女性(今田美桜)が、彼女を心配して連れ戻しに来た妹(森七菜)と大喧嘩!その中で彼女がホームレスを続ける理由が明らかになっていき…

『EP4』脚本:奥山由之
ベンチの撤去にやって来た市役所職員の先輩(草彅剛)と後輩(吉岡里帆)…だが実は彼らは!という映画を撮っていた映画監督(神木隆之介)もまた、実は大きな秘密を抱えていて…

全EPを監督したのはEP5の脚本を書いた奥山由之さん♪オムニバスではあるけど、同じ一つのベンチを舞台にしている上に別のEPで別のEPの話題が出たりするので、いわば同じユニバース。

今作をどうしても観たかった理由…それはもちろん!【silent】【いちばんすきな花】【海のはじまり】の生方さん…映画初脚本作品だから!

正直、生方さんと根本さん以外は監督含めて全く存じ上げない上に、誰がどのEPの脚本を担当しているのかも知らずに鑑賞。

にも関わらず『EP1』と『EP5』はすぐに生方さんの脚本だと分かるほど、超絶好きすぎた♪っていうかまさか2EPも!最高のファンサービス🤣

じゃあそれ以外はといえば、捨てEPゼロ!『EP2』は終始笑いっぱなし♪『EP3』はクズ彼氏のために "もっと超越した所へ" 行っちまった女性の心の機微を描く、根本さんらしい脚本♪

そして『EP4』…これが超変化球😱ただこのEPのおかげで、ベンチがただの "舞台" や "アイテム" としてではなく、1人の登場人物…もっと言えば主人公の1人に昇華した印象♪

そこからの流れで突入する『EP5』…遷り変わりゆく景色の中、たまたまそこを通り過ぎていくだけの人間の姿を愛おしく見守り続けてきた一脚のベンチ。

そのベンチが見たのは、景色だけではなく人間の心そのものの遷り変わり。メチャクチャ好きすぎた🤣