アー君

ワン・フロム・ザ・ハート リプライズ ‐4Kレストア版‐のアー君のレビュー・感想・評価

3.0
「メガロポリス」を意識した特集上映の気もするが、巷では不評で大自爆をしたらしいけど、それでも配信スルーをしないで劇場公開して欲しいものです。

「アウトサイダー」「カンバセーション…盗聴」は数回観ているので、なぜか本作は観るのを忘れていたので、このような特集上映で観る機会に恵まれて良かったと思う。

鑑賞後の素直な意見としては、面白さを感じることはできず、凡庸すぎるメロドラマであった。主演の俳優たちもナスターシャ・キンスキー以外は魅力を感じられず、男性性を重視した独りよがりな内容だった。
そういう意味では妻のエレノアが皮肉を込めた客観性で「コッポラの黙示録」を作った理由も本作で理解をした。

セットもかなり大掛かりに作ったらしいが、逆にリアリティが強くなり意味を感じられなかった。しかし雰囲気的には「ラ・ラ・ランド」を彷彿させる感じもあり後輩には影響があったのではないか。

大コケをして破産をしても、ワイナリーで補填をして、何とかやり繰りしているようだが、映画よりもコッポラ自身が製作する過程のパフォーマンス、そして熱意と気さくな人柄にどこか魅力があり、不死鳥のように今でもカリスマ性は健在である。

パンフレットは中綴じ仕様で専門家の論文が載っていて見応えもある内容であったが、デザインにおいて本文の三段と二段があり、段組処理は分けずに統一はできたとは思う。表紙はコッポラの代表作をオマージュしたタイポ処理であった。

〈70/80年代 フランシス・F・コッポラ 
 特集上映 ― 終わりなき再編集 ― 〉

[新宿武蔵野館 10:00〜]
アー君

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