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罪の島のENDOのレビュー・感想・評価

罪の島(1931年製作の映画)
4.0
原題は『地獄の中にある安全』。つまり死刑執行人という絶対的権力に魂を売らずに死を選ぶ、自らの死を賭して恋人を守るも、それ自体は伏せられるロン・チェイニー的な自己犠牲メロドラマ。もう一つのテーマは「退屈は人を殺す」だろう。恋人が船に乗る間、ニューオリンズだろうが島だろうが待つことしかできない。彼女は閉じ込められ倦んでいる。ホテルの受付嬢であるニナ・メエ・マッケニーの境遇はマッケイルと重なりつつ互いに救う術を持たない。囚人以上に出口のない牢獄にいる。暁の中2人組の警官に挟まれ刑場に向かう最中にthe end。真っ当なノワールの終わり方。
印象に残った演出を挙げておく。タバコの煙が密航時に潜んでいる木箱から漏れ出る。その板の間から白い歯の並んだ口が見えてそこに接吻。窃視的エロス。
マッケニーの口遊む 『When It's Sleepy Time Down South』はこの映画のためにクラレンス・ミュゼとレネ兄弟によって作曲され、のちにルイ・アームストロングの演奏でジャズスタンダードになったそうです。
男達の品定める視線の間にいる犬!
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