もこもこくじらーたいちー

クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王のもこもこくじらーたいちーのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、夕陽バックのアクション仮面やOPあけの川に映る陽のキラキラ。背景のクレヨンっぽいテクスチャー。これが絵をリッチに見せている。
冒頭の春日部防衛隊のやり取りはテレビ版っぽいテンポ感でゆったりしてるがこれも久しくテレビ版見てないのでなんか嬉しかった。
みさえが短パンノースリーブで若い。しんちゃんも今よりもっと子供っぽいな。
ここまで家庭のやり取りをのんびり描いてくれて嬉しいなあ。
コンドミニアム。
風間くんと他の子たちとの距離感が絶妙な頃。
そういえば園長の妻が副園長だったね。
園長の組長ネタとか風間くんの塾通いキャラとか懐かしすぎていいなあ。
アクション仮面とミミ子くんてそんな設定だっけ?
みさえのしんちゃんに辛辣なところと母親としての優しさ(コンセント抜いて後ろに倒れたしんちゃんを抱き止めるところとか買い物シーンとか)が今となんか雰囲気が違う感じがして新鮮。なんかさりげない感じがして好き。
路地裏からの喧騒から切り離された世界観への移ろいが上手い。
不思議の世界への移動が児童ものの王道を行っている。車で別の道に逸れていくところとか千と千尋じゃん。そして不思議な建造物。ついたてを超えていった先に謎の装置。
異世界に来た雰囲気作りが上手い。
宇宙船の飛来と変形すげえ。
SFとしても妥協してない。
ホモって言っちゃったしあのビジュアルさせてるの時代だなあ。
中盤からは少しだれちゃって以降のクレしん映画らしいケレン味溢れる派手で迫力あるアクションは少なめだけれどそれでも以降の劇場版を彷彿とさせるイメージには溢れている。
そしてやっぱりクレしん映画にはかっこいい悪役と夕陽がよく似合う。
アクション仮面がやってくるのはラスト10分だけなのに満足感がある。
最後にほっこりとした日常へと戻ってくるのも最高。

総評としては、以降のクレしん映画ほどの緩急のある展開ではないが、緩の中でもテレビ版っぽいゆるいギャグや日常のシーンと、静謐で緊張感のあるより映画的なシーンとがあって飽きさせないし、日常から冒険、戦闘、決着、そして再び日常へという王道な展開の中であの頃のクレヨンしんちゃんたるアイデンティティに溢れていて劇場版一作品目として最高出来だと思う。