もこもこくじらーたいちー

14歳の栞のもこもこくじらーたいちーのネタバレレビュー・内容・結末

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも等身大のドキュメンタリー。
もちろん、あれが彼らの生活の全てではないし、彼ら自身にもカメラで撮られているという意識はある。だがそれでもあまりにも等身大。
とある中学校の2年6組35人の三学期。この中途半端な時期、中途半端な自意識、中途半端な分別がどばどば溢れ出る。
35人を均等に注目して映すことで、極力ストーリーを排すように、制作側の意図をなるべく入れないように構成されている。
それゆえにそれぞれが自分のあの時を映す鏡みたいでかなり辛いところもある。
物語の青春のわかりやすい葛藤や成長ではなく、わかりやすいキャラクターでもなく、問題解決のカタルシスでもなく、本当に人生の途中、栞をたまたま挟んだページを読む感覚。
日本の普通の中学生たちの中にある物語性とかでもない。本当にただただそこに”居る”中学生たちの記録。
なんか”居る”ことの肯定というか、正直このドキュメンタリーが撮られたことに本当に感謝したい。
配信や販売等もしないという制作側の配慮も良い。