トロント国際映画祭にて。
とても良かった。マイク・フラナガン監督が今回もスティーブン・キングの小説を映画化してるが、ホラーではないほうのキング。世界の終わり・終末映画でありながら、愛も悲しみも生死もひっくるめて人生を祝福する心温まる話になっている。
インターネットは遮断され、空には星が全くなく、気候変動で陸地は水で覆われようとしていてまるでディザスター映画が始まりそうな状況だけど、登場人物たちはわりと落ち着いていて、まるで世界の終わりを受け入れるかのよう。
そんな状況の中でやたら登場するチャックの広告。チャールズ・チャック・クランツとは何者なのか。なぜ彼の人生を祝福しようというメッセージが何度も出てくるのか。
過去へ遡りチャックの人生が明かされる。
死は誰にでもやってくる、今あるものを今のうちに祝福しよう、人生は長くても短くても驚きや喜びがある…という話だと思う。要するに人生賛歌なんだと思う。
悲しみも苦しみも全てが人生。
ドン底映画にもなり得る話だが、明るく柔らかで時にコメディふうに訴えかけてくるような映画だった。
トム・ヒドルストンがダンスを披露する。