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激突!格闘技 四角いジャングルのvdkdのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

梶原一騎プロデュースによる格闘版ジャパニーズモンドフィルム。

総合格闘技も人気漫画の刃牙もないこの時代にしかない格闘浪漫を詰め込んだ記録映画と捉えると非常に面白い。

新日本プロレスと梶原一騎の蜜月期間真っ只中。序盤は客寄せとしてアントニオ猪木によるプロレスこそ最強の格闘技という主張を後押しした蔵前国技館の大会から猪木対ミスターXまでをハイライトでお届け。

日本人プロレスラー対一流の外国人プロレスラーを提供する資金力がない故のトーナメントを「以前は外国人との闘いを続けてきたプロレスではあるが、今では世界に目を向けるために先ずは日本人No. 1を決める闘いが必要とされている。」等、外連味のあるナレーションで補足している点が微笑ましい。

その後は極真空手にフォーカス。添野義二や真樹日佐夫らの空手実演のシーンやトレーニング風景を挟み、終盤は藤原敏男とベニーユキーデを主役としたキックボクシングからムエタイへの挑戦を描く。いずれも梶原一騎らしい、強さを求める男たちの熱い青春物語に仕上がっている。

プロレスは格闘浪漫を時代とともに形を変えて表現し続けているが、現在形の格闘技には純然たるスポーツとしてではない梶原流の外連味がもっと欲しいな、と感じた。

映画として、というよりは梶原バイアスのかかった格闘技のモンドフィルムとして今後も語り継がれていって欲しい作品。※現代のアメリカのプロレスヲタク達がこの世界観をどう見るのか気になる。インセインかつクレイジーだよね
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