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マッドマックス:フュリオサのvdkdのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

過去のマッドマックスシリーズと比べてやたらと丁寧な物語に人物描写。前日譚という企画のお陰か、よく練られたシンプルな追って追われてのプロットだけでなく世界観をより拡張する作品になっていてビックリ。

特にヘムズワースのディメンタス将軍はマッドマックスに出てくる敵役って今までこんなにちゃんと描かれた事あったっけ?とフュリオサが割を食うぐらいの掘り下げ。バイカー集団を率いるカリスマ性はあれどイモータンジョーが自ら築き上げた奉られる存在の規模には到底達せず、暴動を鎮圧したり提携している組織の離脱を引き止められる程の器でない辺りのリアリティが最高。

また、計画性があるようで実はまぁまぁ行き当たりばったりで中盤以降、本人も「あれ〜こんなはずじゃなかったんだけど」と泥沼化する戦況に四苦八苦で不満顔。最初は砦を制圧して覇権を握るという目的に燃えていたのに、最期はあぁダメそうだなと諦め「今までありがとう!解散!」とバイクを差し替えて部下を斬り捨てる様から命乞いはしないけど減らず口は止まらないという振り幅。まぁまぁマンガチックな敵役と違って栄枯盛衰をここまで描かれる敵役は(今後もサーガが作られていくとして)最初で最後なんじゃないかというサービスっぷり。

フューリーロードの時もマッドマックスって冠してるけど実質フュリオサの映画じゃん、と思ったのと同じで今作もディメンタスの映画じゃん!と、タイトルじゃない方の人物に焦点を置くのは面白いけど何か前作のマックスとフュリオサの配分より(前回は2人とも善玉だったから)ちょっと歪に感じたのは引っかかったかな。

と文句までは満たない不満はあれど総じて当たり前に面白かった!けど、、、これポンポン早いペースでサーガを撮れるわけじゃないから御大の年齢考えると普通にマックスが主役でまたいつもと同じように新しい場所で新しい人々と出会って何だかんだ用心棒決め込むいつものやつ作って貰った方が良かったかも、ともやっぱり思う。とりあえずまだまだ風呂敷広げて撮って欲しい!何だったらコミックスでも良し!!
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