【シッチェス映画祭2024　コンペティション部門出品】
ノルウェーの女性監督によるホラー映画。シッチェス映画祭コンペに出品され、トロント映画祭でも上映された。

まぁまぁ。ミステリアスなホテルに迷い込んだ男が脱出を試みるというシンプルな話。

そこまで新鮮味があるわけでもないが、ホテルの内装や撮影がかなり凝っていてそこは素晴らしい。謎の生物の造形も面白かった。

ただ、ちょっと引っ張りすぎ。90分程度の映画なのに観るのに3日かかった。面白くないとは言わないけど間延びした部分が多い印象。

どんどんホテルの闇に触れていくMR.Kの旅路は興味深く、何か元ネタがありそう。『シャイニング』の影響もけっこうあるのかな。

悪くはないが新鮮味はあまり感じられない。でもプロダクションのレベルは高いし普通に観られる一本ではある。ホラーと言うよりシュール劇といった趣、日本公開はちょっと難しそうな気がする。

• #シッチェス映画祭2024

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のジョージ・マクフライでおなじみ、
クリスピン・グローヴァー 主演の
オランダ製閉じ込められスリラー

マジシャンの男がある日泊まった怪しいホテルから出られなくなっちゃう話

何を観させられたんだろう…ってなる後味だけど、ビバリウムとかの不条理系が好きならたぶん楽しめるやつ

クトゥルフ風クリーチャー要素も少々

犬は無事です。

2025年4月28日 Pathé Thuis VODレンタル(5.99ﾕｰﾛ)

Mr. K 2024年作品
5/10
タルラ・H・シュワブ監督脚本
クリスピン・グローヴァー　ズニー・メレス
フィオヌラ・フラナガン　ビョルン・スンクェスト
ディアブラ・モロイ　バーバラ・サラフィアン
ジャン・グナー・ロイズ

旅行するマジシャンであるK氏は、ホテルに泊まったら出られなくなり
他の居住者と共に滞在を余儀なくされるが、ホテルが縮んでいることに
気付く。
Mr.Kというタイトルは｢城｣のKみたいにカフカを指しているのだと思うが、
カフカ的な不安や切迫感はこの映画ではさほど伝わらない。
奇妙なユニークなものを演出する場合に二通りあると思う。
一つはD・リンチやガイ・マディンのようにナチュラルに感性が
どうかしている(褒めています)ひと。
またデル・トロとかフィンチャー、スパイク・ジョーンズ、
チャーリー・カウフマンのように完璧な計算で自分の世界を
構築するひと。
この二つのどれかにあれば成功すると思うのだけれど、
単にユニークなものを提示すればいいと考えている映画制作者には
全く感心しない。本作はそういうもの。
クリスピン・グローヴァーは｢ワイルド・アット・ハート｣
｢チャーリーズ・エンジェル｣、
｢ウィラード｣｢アリス・イン・ワンダーランド ｣
｢ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋｣で証明されているように、
(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のとかクリスピンにいうのは
もはや失礼だろう)クリスピンは素晴らしい怪優。
本作では奇妙な状況に陥った普通の男を演じていて、これは
クリスピンに期待していることではなかった。
もっと頭のおかしい(褒めてます)クリスピンを観たい。